正確にはシュワちゃんは出ていない

満を持して完成して公開された『ターミネーター4』。2009年に公開された当初に言われていたのが、なんと前作までのストーリーとは全く関係のない、独立したものだというニュースがマスコミの間で飛び交います。何故いまさら単独で、しかも続編と思わせるタイトルにしているのか、そう疑問に感じた人もいただろう。だが実際にストーリーを見てもらえば分かる通り、作中ではジョンとケイト、またそれぞれの展開が先の3作と繋がる内容を含んでいるので、正式な意味で続編と言えるのだ。

しかしファンを残念がらせたのはそこだけではない、他にもこの作品でシュワちゃん自身がほとんど出演する気配がなかったことだろう。知事として忙しく過ごしていたため、出演に関してのオファーを自ら断っていたと話にも聞いているので、複雑な心境で作品を見た人も多いでしょう。

ターミネーターといえばシュワちゃん、出演しないなんておかしいと感じたのは日本人だけでなく、彼のファンを中心とした人も同じことを考えるはず。そうした影響も鑑みて、本人が必ずしも出演したわけではないが、CG合成によって顔だけターミネーターに張り付けて出演するという手段が取られた。

幸先不安すぎると心が晴れない人もいるでしょうが、そうした不安も前提にして話をしていこう。

物語概要

ターミネーター4は、前作3での核爆発による被害をかろうじて回避したジョンが、用意された未来で生き残った人類を率いて戦う物語だ。彼を支えるためにケイトは正式に彼の妻となり、医療部門の責任者として、怪我人の治療にあたる。戦いが激化する中でスカイネットの猛攻は途切れること無く、徐々に疲弊していく人類だったがある時ジョンは機械側の異変に気づいた。それは行きたまま人間を捉え、生体細胞を複製する実験を試みているという。その後幾度となく自分を救ってくれたが、未来の時点では自分の敵として立ちふさがるターミネーターの製造に着手するという、複雑絡みあう物語となっている。

そこでジョンは予想だにしていなかった出会いを果たし、そして彼の運命を決定づける最後の希望を守るために活動することになる、というのが今作のおおまかな趣旨だ。不安しか感じねぇ、という意見もありますが、それはそれとして、とりあえずあらすじを紹介していこう。

あらすじ

2018年、スカイネット主導による機械たちの反乱により、人類は存亡の危機に瀕していた。そんな中、人々を導く先導者として数多の戦場を駆け抜けるのは他でもない、成長したジョン・コナーだ。系とともに審判の日を生き抜いた2人は核戦争による被害から辛うじて生き残った僅かな人類を助けながら、希望を求め続ける。そんな最中に機械たちが人間を生きたまま鹵獲し、生体細胞の複製をしていることを突き止めた。同時に自分自身を守ってくれたかつての旧友であり、現時点では自分の敵として立ちふさがるターミネーターの生産が開始されたことも知ることとなる。

その中でスカイネット率いる機械軍側がリストアップしている抹殺対象に『カイル・リース』という名をジョンは見つける。後に自身の父となる彼を死なせる訳にはいかないとして、なんとしてもスカイネットたちよりも先に保護するためにジョンは動き出す。

一方その頃、ロサンゼルス郊外にて1人の男性が目覚めた。マーカス・ライトという名の男性は、目覚めた先の世界の荒れように愕然とすると同時に、眠る以前の記憶を持っていないことを知る。自分が誰なのか模索していると、突如として出現した機械軍に襲撃されて窮地に陥る。そんな彼を救ったのは孤児の少年と連れ添っていた失語症の少女の2人だ。マーカスと少年たちはそのままともに行動することとなり、やがて人々の救世主として祭り上げられていたジョンの存在を知り、彼に助けを求めることにした。

マーカスとともに連れ添う少年、彼こそ後にジョンの父となるカイル・リース本人だった。やがて交錯する2つの事象、ジョンは無事未来の父に再会できるのか、またマーカスとは何者なのか。語られなかった未来の物語が、今動き出す。

ターミネーターとしての原点

この作品からいよいよジョンがスカイネットに反抗する人類側のリーダーとして活躍していくことになる。荒廃する世界で、生き残った人々を救いながら必死の抵抗を繰り返す日々。そんな彼を献身的に支えるのがケイト、彼女だ。医師として怪我人を救う側に立った彼女は、そのお腹にジョンの子供を身ごもる。知ることになった未来、訪れた戦いの日々、激化していく時代の波に翻弄されながらもジョンがたくましい姿を見せるのが今作一の見所と言えるでしょう。

また初登場として突如スポットが当てられたマーカス・ライトという男性の存在も極めて重要だ。唐突に彼がピックアップされたのは、実は彼こそが正真正銘ターミーネーターのプロトタイプと製造された存在だからである。しかも元は生体である人間から製造しているので、本人には人間の心が宿っているという特殊な境遇の持ち主でもある。人間ではないが、人間の心を持ち合わせるマーカスは己が信じた正義を旨にカイルを守ろうとします。

シュワちゃんのターミネーターが一番印象深いですが、今作ではそんなターミネーターがどうやって作られていたのか、またその原点がどこに通じているのかが明らかにされています。

詳細が語られていなかった未来の物語として

これまでのターミネーターシリーズでは、未来の世界がどのようになっているかはおよそ断片的にしか語られておらず、どのように展開しているのかも知り得なかった。ターミネーター4として、前作は自堕落な放蕩人として日々を無目的に生きていたジョンが、核戦争をきっかけに人々の希望として立ち上がった後の物語とすれば、見応え抜群だ。

この作品をきっかけに、シリーズは新たな局面へと傾いていく。そして次回作では誰も知らない過去と未来の物語が展開されていきます。